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SUITEROOM探訪シリーズ コラム09

麻布十番。都心のリラクゼーションスポットで「スイートルーム」を導入されたお店があると聞いて、さっそく拝見してきました。
都会人のためのアロマを使ったリラクゼーションサロン「feel」では、お客様に最高級のひとときを提供するために、「スイートルーム」のシャワールームタイプを選ばれたそうです。

南洋のリゾート地に来たような気分になれる都心のサロン

地下鉄南北線・麻布十番駅から徒歩5分。この11月に新しくオープンしたリラクゼーションサロン「feel」は、都心中の都心にありながら、南洋のリゾート地にいる雰囲気でアロマを使ったエステが受けられるリラクゼーションスポットとして話題を集めているそうです。

まずは待合室を見せていただくと、間接照明と小さなダウンライトとで仄暗く演出された落ち着ける場所。足を踏み入れた瞬間から、浮き世のことなどどこかに吹き飛んでしまいそうですね。置いてある家具・調度品もどこかアジアンテイストのシックなものばかりで、ここが東京のど真ん中であることを忘れさせてくれます。

お店のディレクターの濱松美佳さんによれば、「feelがお客様としてお迎えするのは、30〜50代のセレブな女性の方々だと思うんですね。なので、お店全体のインテリアにも格別な高級感と、現実を忘れさせてくれるような“癒し(ヒーリング)効果”が強く出るよう心がけました」

とのこと。ただ、高級感といっても大理石や装飾的できらびやかな金属類は使わず、壁も床もあえてダーク調の木にして南洋のリゾート地をイメージさせる空間にしたことは、現実社会からのエスケープという意味において実に効果的だったように思います。


スイートルームを選んだのは必然

「feel」のヒーリングルームは8室。この他にも「ALEX」と呼ばれるイタリア製の体質改善&ダイエットマシーンを導入した部屋と、ゲルマニウム温浴が楽しめるSPAがありますが、このうち「スイートルーム」が使われているのは6室とのこと。さっそく拝見してみましょう。

ヒーリングルームには一人用とカップルでも利用できる二人用があり、いずれにもシャワールームタイプが使われていますが、形としては室内にガラスで仕切って設置されたタイプと、壁の外側に設置されたタイプがあります。残念ながらガラスタイプには、目隠しとして一部がフロストガラスになっており、浴室の外からは自慢のタイル(ニュアンス)が見えませんが、これはやはりお客様のプライバシーを尊重してとのことでした。

インテリアをデザインしたアイ・ワン東京支店の設計担当者の方によると、「お店全体に高級感をというコンセプトがありましたので、どうしてもシャワー室にはこだわりたかった。そこで全体のムードをそこなわないデザインのものをと探したところ、必然的にスイートルームに行き着きました。やはり、アロマエステを受けて至上の時間を楽しまれた後の仕上げは雰囲気のよいものでなければならない」と考えました。

そういう意味では、従来ならオーダーメイドでしか実現できなかった、タイル仕様でガラス張りのスイートルームは、まさに「願ったりかなったり」(設計担当)だったということでしょう。

通常、アロマオイルを使ったエステを受けた後は、シャワーでオイルを洗い流さずそのまま就寝するのが理想なのだそうですが、こうした施設を使われる方の中には、仕事をちょっと抜け出してリラックスしたいという女性キャリアの方や、時間の空いた昼下がりに来てまた家庭に戻ったり待ち合わせをしたりする主婦の方もおられることから、「feel」ではメニューの90分、120分とは別に約30分のシャワータイムを用意しているとか。もちろん、エステを受ける前にシャワーを浴びてリラックスし、皮膚からオイルを吸収しやすい状態にしておくというのも大きな効果があるようです。


“癒し効果”の演出に重要な役割を果たす

室内を拝見すると、まさにそこはいるだけでもリラックス効果が得られそうな異空間。昼間でも、人間がもっとも安心できる深夜の雰囲気が演出されており、こんな部屋で横になってセラピストの手に触れられたら、もう眠らずにはいられませんという印象があります。

中央には見るからに寝心地のよさそうなベッド。刺激の少ない暖色系のダークイエローとブラウンで統一されたインテリアや化粧台。そして部屋の一角にガラスで仕切られた「スイートルーム」があり、それらすべてがひとつの調和となって、大きな“癒し効果”を生んでいます。ここの店名「feel」は感じるという意味ですが、感じるのは、まさに心の贅沢。ここで過ごす90分、120分がもたらすリラックス&リフレッシュ効果の大きさに期待してしまいますねー。

今回「スイートルーム」に使われたタイルは、比較的穏やかな色調のニュアンスですが、これも視覚的に強すぎず主張をせず、室内環境にうまく馴染んでいます。「スイートルーム」には、赤やセルリアンブルーなどの強い色調のタイルもあって、それもなかなか素敵なのですが、インテリアとの調和を考えると、やはり設計者の選択は正しかったかもしれません。

「feelがめざすのは、なによりもここで最高のリラックスを得て、身も心もリフレッシュしてお帰りいただくこと。そのためには、15キロのランニングと同じカロリー消費ができるというALEXやゲルマニウム温浴、そして最高のセラピストのサービスというだけでなく、ここに来ただけで心が解放されたと思われるような空間をつくりたかったんですね。高級感あふれるスイートルームはその重要なエッセンスの一部を担ってくれていると思います」(熊谷佳奈子店長)

私も一度でいいから、こんな空間で心ゆくまでリラックスし、日々のストレスを発散してみたいものです。 (feelはこちら


REPORTER PROFILE

坂本徹也
住宅建築ジャーナリスト、All About「建築家」ガイドとして、魅力ある住宅建築のレポートを執筆中。著書に『建築家と家をつくる愉しみ』『住宅プロデューサーを上手に使えば こんないい家がつくれる』などがある。

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