今回はINAXの開発室レポートのPART2をお送りいたします。
「スイートルーム」の究極版として開発された「リゾートスタイル」にはもうひとつ、大理石を使ったシンプルモダンなコーディネートがあります。
また、大理石を使うタイプでも一般住宅にピッタリの「1620タイプ」も同じく新商品として展示されていました。
引き続きINAXで見せていただいたのは、もうひとつのリゾートスタイルです。前回のバラのモザイクタイルは、人によって好みが分かれるとのことでしたが、こちらはまんべんなく多くの施工会社や建築家から支持されているという大理石を使った最高級品です。
1.8坪(バスルーム)+1.5坪(パウダールーム)という広さは同じなのですが、より広く感じるのは、白と黒という組み合わせのシンプルさと、柱などの視覚を遮るものを取り払ったパノラマの開口部のせいでしょうか。
こちらのタイプはリゾート地に建てるセカンドハウスを意識した商品とのことで、「窓の外に真っ青な海や、深い緑の森が広がるような地で、ゆったりと流れる時間を楽しみながら休日を過ごしましょう」という提案が込められているとか。なるほど、大きな開口部は、大自然を満喫するためということですね。
円形のバスタブも広く、2人で入っても十分なゆとり。ここで泡風呂を楽しみながら目の前の光景を愛でるリゾートライフなんて、ほんとに羨ましいかぎりです。
聞けば、大理石には北イタリアから取り寄せた最高級品の「ビアンコカララ」を使い、バスタブエプロンとパウダールームのカウンターテーブルには黒御影石の「ジンバブエブラック」をアクセント的に使って、白と黒のシンプルで贅沢な空間に仕上げたとのこと。ますますもって“非日常”的な空間といえますが、シンプルゆえ、どんな住宅建築にも馴染みますし、なにより“本物”の素晴らしさを知る熟年層から大きな支持を得られそうです。
「こんな贅沢、ほんとにしていいの?」と言うなかれ。欧米のハイソサエティの人たちは何世紀も前からこうした贅沢なお風呂を楽しんできたわけですから、世界有数の経済大国に住む日本人が楽しんでいけないという法はありません。
大理石は斜め45度に線の走ったものをとくに選んで使い、水場にふさわしく川の流れのような印象が出るようにしたとか。また、ベタッとした印象にならないよう、床面を大理石のモザイクタイルにし、黒御影石のエプロンと合わせて全体を引き締めるような組み合わせにしたそうです。
足元を見ると、細かいモザイク状の大理石がびっしり!そこにダウンライトの光が反射してきらきら光り、なんとも幻想的。さらに足の裏にはとても心地よい質感が残ります。こんな贅沢な空間を独り占めするなんてもったいない!「リゾートスタイル」は、ぜひ一番愛する人と一緒に入りたいお風呂という気がしました。同じやるなら、やはりこれぐらいの贅沢はしてみたいものです。
続いて見せていただいたのは、1.25坪(バスルーム)+1.8坪(パウダールーム)という、通常サイズよりやや広めの「1620タイプ」。こちらにも全体的に大理石が使われています。しかしながら、展示の仕方がよいせいか、私自身はこれが一番気に入ってしまいました。
何がいいかというと、まず色合い。同じ大理石でもこちらは「ボテチーノクラシコ」、同じ北イタリアでもブレシア産のベージュ色のもので、これが木の素材感とすばらしく調和することと、なによりもお風呂には夜の安らぎ感が欲しいという私の持論にピッタリだったからですねー。
こういうテイストのお風呂は海外の高級ホテルや、日本でもひとクラス上のホテルのスイートルーム(商品名じゃない!)ではけっこう見かけますが、個人の住宅やマンションではなかなかお目にかかれません。これと同じものを自分で素材から選んでオーダーメイドでつくろうとしたらとても500万円ではできないことを考えると、こんな空間を既製品で日常生活に持ち込めるなら、なんとしてもやってみたいものだと思ってしまうわけです。
建築家やインテリア関係にもっとも評判がよかったのはこの「1620タイプ」だとか。同じ大理石でもこちらは落ち着いたベージュ色なので主張が強すぎず、どんな建築物にも合わせやすい。これなら世代や性別に関係なく、誰にでも受け入れられやすいことでしょう。ぜひ主力商品として定着させていただきたいものですね。

「スイートルーム」は、防水効果が抜群で劣化しにくい「専用防水パン」と乾式下地材を用いる「新タイルクリート工法」の導入で、2階以上の上階でも十分入れられるものですから、一戸建てはもちろん分譲型マンションのリフォームやコーポラティブハウスへの取り付けも十分対応可能とのこと。07年を機に一気に拡大すると思われる高齢化社会の富裕層を中心に、今後徐々に需要が広がっていくような気がします。
今は、2027タイプや1620タイプ(*)の実物をどこでも見ることができるわけではありませんが、本物を見られたお客様からは「こんなお風呂に毎日入れるなんて夢みたい」という声を多くいただいているとのこと。ハッキリ言って写真で見るのと、実物に触れるのとでは大違い。できるだけ早く実際に“体感できる”ショールームでの展示を期待したいと思います。
いまだに日本人には、個人住宅のお風呂は狭くて暗い、ジメジメした場所との先入観が残っているように思いますが、なにも好きこのんで狭いお風呂にする必要はないわけですよね。そうしたユーザー一人ひとりのお風呂に対する意識を変えて、家にいながらまるで海外の高級ホテル感覚やリゾート感覚を味わえるような商品を提供していこうとする「SUITEROOM」の思想は、今回見せていただいた新商品「リゾートスタイル」(2027タイプ)(1620タイプ)にしっかり反映されていました。日本人のお風呂に対する既成概念を打ち破る突破口として、家づくりをはじめる方々はもちろん、建築家やインテリアデザイナーの方々にも、ぜひ注目していただきたいものだと思います。
*2027タイプとは2000×2700mmのサイズを持つバスルームのこと。
ここでいうサイズとはバスルームの壁の内側の寸法。
同様に1620タイプは、バスルームのサイズが1600×2000mmであるということ。
- 坂本徹也
- 住宅建築ジャーナリスト、All About「建築家」ガイドとして、魅力ある住宅建築のレポートを執筆中。著書に『建築家と家をつくる愉しみ』『住宅プロデューサーを上手に使えば こんないい家がつくれる』などがある。





