リタイア後の人生を悠々自適に過ごされている愛知県にお住まいのご夫婦。
掃除をしても汚れが落ちにくくなった築30年のお風呂の改装を決意し、INAXの「スイートルーム」を選ばれたそうです。
改装後1年の感想をお聞きしました。
娘さんが嫁がれてからは二人暮らしという愛知県にお住まいのSさん夫婦。子どもが生まれたのを機に建てられた築30年の住宅を、今後の悠々人生を楽しめるように改装したいと思い立ち、最初に手を着けられたのが、老朽化した玄関とお風呂だったそうです。
「とくにお風呂はなんとかしたかったんです。北側なので冬は寒いし、タイルの目地が黒ずんで汚れが落ちにくくなってきてましたから」とは奥さんの悦子さんの弁。そこでご主人と娘さん夫婦とともにINAXのショールームへ、お風呂の勉強をするために出かけられました。
「娘夫婦が家を新築した際にINAXのユニットバスを入れていて、メンテナンスを考えたらそれがいいだろうということで見に行ったんです。ところがそこで『スイートルーム』を見て、ああこういうのが欲しかったんだ!と。そこでこれは古い住宅には使えないんですかと聞いたら、全然大丈夫とのことだったのでその場で決めました」と、ご主人の勝美さん。ただ心配だったのは、今のお風呂場が1.5坪しかなく、そこにうまく収まるかどうかでした。しかしそれも取り越し苦労。古い洗面所と浴室のスペースを、そのまま「スイートルーム」のパウダールームとバスルームに変えて使えることがわかり、施工に踏み切ったそうです。
実際に見せていただくと、え、ほんとにこれが1.5坪なの?と目を疑ってしまう広さ。種を明かせば、バスルームがガラス張りで視線が通ることと、壁がアイボリーのタイル、床がセルバグリーンのタイルで統一された一体型デザインであることから受ける印象なのですが、人間はそれだけでこれまでとはまったく違った広さと開放感を感じてしまうものなのですね。Sさん夫婦も、期待以上の仕上がりに「大満足!」と思わず口にされたとか。
「それまでは、できるだけ早く身体を洗ってあたたまったら出るというのが我が家の入浴でしたが、『スイートルーム』にしてからはバスタイムが飛躍的に伸び、今ではたっぷり1時間はかけるようになりました」(悦子さん) もちろん、バスタイムの長さは身体が感じる快適性と比例するものですから、そこには暑さ寒さが影響してきますが、「スイートルーム」には24時間の換気・乾燥システムとエアコンが付いていますから、いつも一定温度で快適そのもの。ご主人の勝美さんさんは、ときおり窓を開けて風を入れながら露天風呂の雰囲気を楽しまれているそうです。


入浴時間が長くなるとともに、Sさん夫婦のライフスタイルには少しずつ変化が出てきました。そのひとつがアロマテラピー。Sさん宅の「スイートルーム」には入浴時に裏庭の植栽が見える横長の小窓が付けられていますが、ここにキャンドルセットを置いてアロマオイルを垂らし、すがすがしい気分でバスタイムを過ごされるのだとか。それは今までの浴室では考えられなかったことでしょう。
さらに大きな変化としては、掃除が苦ではなくなったということ。「これまでは洗っても汚れが落ちにくかったので、掃除をするにも一大決心が必要でしたが、『スイートルーム』にしてからは毎日入浴するたびに洗うようになり、まったく苦じゃなくなりました。むしろ掃除が楽しいくらい」と悦子さん。たしかにやっても甲斐のない仕事はやる気のしないものですよね。ところが「スイートルーム」はとても清潔感があるし、タイルがカビに耐性のある素材で劣化することもないので掃除のしがいがある。やればやるだけ綺麗になるとわかると、人間はマメに手入れをするようになるもので、いつも綺麗な質感を保っておこうとする好循環が生まれるわけです。
しかしながら、一方で困ったことも起きてきました。バスルームだけが突出して他の部屋がみすぼらしく見えてきてしまい、家全体に手を入れたいという気持ちが抑えられなくなってきてしまったとか。Sさん夫婦は、改装後間もなく家全体の壁のクロスを張り替えられたそうです。
「前はよく温泉にでも行きたいねと話しあっていましたが、最近はそんな話もあまり出なくなりました。家にこんな快適なお風呂があるのに、わざわざ遠くに出かけることもないかと…」逆に親戚や友人を招いて泊まってもらうことが多くなり、そんなときには「ゆっくり時間をかけてどうぞ」と、長湯をすすめていると勝美さん。自慢のお風呂ができてからは、娘さん夫婦も足繁く来られるようになったとか。「娘たちの家はユニットバスでそれも便利でいいなと思っていたのですが、やはりお風呂には少し和風のテイストが欲しかったし、なによりタイルのよさを再認識しました。自然の素材感が気持ちを豊かにしてくれるんです」
人間はお風呂ひとつでこんなに幸せになれるものか――Sさん夫婦の話をお聞きして、そんな感慨を持ってしまいました。
写真/大木宏之 撮影協力/リクルート『月刊Goodリフォーム』
- 坂本徹也
- 住宅建築ジャーナリスト、All About「建築家」ガイドとして、魅力ある住宅建築のレポートを執筆中。著書に『建築家と家をつくる愉しみ』『住宅プロデューサーを上手に使えば こんないい家がつくれる』などがある。







